安東隆海サイド



ドサッ。

一位になった事が嬉しくて、七瀬と抱き合っていたら、バランスを崩して倒れた。



いてぇ......

ん?唇に柔らかな感触。

俺は瞑っていた目をあけた。

そこには、七瀬の顔が......

七瀬も目をあけて、俺達は暫く見つめあっていた。



......

「っ......ごめんなさい!」

七瀬が俺から離れる。

「あ......いや、俺もごめん。」



......

お互い、何も話さないでいると、異変に気付いたのか、応援席から櫻井先生達がやって来た。



大丈夫か?という問いに俺達は、大丈夫と返した。

安心したのか、すぐに戻って行ってしまった。



「俺達も戻るか?」

と言うと

七瀬は小さく頷いた。



その後の種目なんて、全然覚えてない。

ずっとさっきの事ばかり考えていた。



七瀬......
例え事故でも、俺なんかとキスしたくなかったよな......

アイツの唇、柔らかかった。
でも、あの感触、前にもどこかで......



「......せい?......先生!」

「うわっ。はい!」

「全く、どうしたんですか?呼んでも返事もしないで......」

櫻井先生に呼ばれてたなんて......全く聞こえなかった。

「風邪でも引いたんですか?顔赤いですけど。」

えっ?

俺、今顔赤い?

そういえば、なんか熱い。天気が良くて、気温が高いせいもあるけど、それだけじゃない。



さっきから、鼓動も速いし......



俺、やっぱり七瀬の事......



好きなの!?