安東隆海サイド

「七瀬。もう一度練習するぞ。」

「先生......少し休ませて下さい......」

ん?
そういえば、始めてから一回も休憩とっていなかったな。

「じゃあ、少し休憩するか?」

俺がそう言うと、七瀬は安堵の表情を浮かべて、その場を離れた。

俺は、飲み物を買いに行くため、一度その場を離れた。



七瀬と体育祭の二人三脚のペアになって、この間から放課後は毎日練習している。

七瀬は運動が苦手みたいだけど、一生懸命頑張っている。

そんな七瀬に俺は罪悪感を抱いていた。

......ごめんな?
俺は種目をクジで決める時、そのクジに細工をした。

七瀬が二人三脚になるように。

どうしてそんな事をしたのか分からない......

でも、ペアになるなら七瀬が良いと思ったんだ。

飲み物を買って校庭に戻る。

「......」
校庭にちょこんと座る七瀬。

ふと
愛らしい......と思ってしまう。