クラリスの手が止まる。
頬に手を添えられて、薄く目を開けると目の前にシルバーの瞳があった。
「望み通りにしてやろう」
クラリスが小さく笑うとその動きに合わせて真紅の耳飾が揺れる。
「どうする?」
鼻先が触れ合うくらいの距離でクラリスが低い声で囁いた。
「言う事をききます。だから…助けて…」
「なら、まず俺を満足させてみろ」
ルシアは唇を噛み締める。
今の希望の光はこの男しかいない。
縋るようにルシアは男の背中に腕を回した。
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