久しぶりだね、と笑いながらも視線はもうアメリアに戻っている。
「せっかく助けてあげたのに、つれないなぁ」
「いつもありがとう、でもあなたの立場が悪くなったりしないかしら」
「ニースの町で一番税金を納めているのはうちですからね、文句は言わせませんよ」
ガイの手がアメリアに触れようとする前にジェイスが馬車へと彼女を促した。
「次のご予定に遅れますよ」
予定など入っていなかったのだが、ジェイスが助けてくれたことを察してアメリアは馬車に乗り込んだ。
そうしてジェイスは早々に隊列を動かし、ニースの町を後にした。


