「苦しいのは皆同じですが、農業従事者が苦しくなればなるほど最終的に私達も苦しくなるのです」
「余ってる食糧があるなら国が集めて国が管理すればいい。必要な時に供給する」
「本当に必要になってからでは遅いと思います」
クラリスと視線が交錯する。
冷たいシルバーの瞳に見据えられながらも、アメリアは視線を外さず彼を見つめた。
空気がピリッと張り詰める。
「僕のところは援助してもいいですよ」
誰もが口を挟めない雰囲気の中、言葉を発したガイに皆が視線を移した。
「自分達の町を自分達のできる範囲で援助する。それで上手くいくなら国を煩わせる事もないですしね」
どうです?と周りを見るガイに、他の者達も渋い顔をしながらも頷いた。
領主もそれを認めると、コーアンと頷きあう。
それを見てクラリスは眉間のしわをより深くした。
「独断で決める気か?国王陛下に…」


