急に話を振られて、ユリウスはハッと顔を上げた。
「ん?…あぁ、そうだな。そういえば、リリスはどうだ?」
「仰せの通り現在はカトールの町におられますが…」
コーアンは言葉を濁して渋い顔を見せる。
「病が流行っている今、王宮に戻されてはどうですか?」
「ふむ、あれの性格を直すいい機会だと思ったんだが…」
アメリアの言葉にユリウスは顎をいじりながら首を捻った。
「王太子の件はリリスなしでは決めれない。取り急ぎ国葬の準備と病の拡大防止について、そしてベルトワールとの戦についてだ」
「では、まず国葬の準備ですが…」
王の言葉を宰相が引き継ぐ形で議会が進められた。


