「遊…ありがとう」


涙目のまま遊を見つめていた私に


「そんな顔してると、襲うぞ」


なんて笑顔で言うもんだから、思わず後退りしちゃった。

遊はカバンを持ち


「先に帰るな」


そう言って教室を出ていった。


一瞬見えた遊の横顔があまりにも切なそうで、胸が締め付けられた。


私が傷つけたんだよね。


遊を窓から見えなくなるまで目で追っていた。