「その、しっかりした姿とやらを見てみたいな」


頭上から聞こえる声……



まさか



「真咲先生!!!」



上を見ると、落ちた携帯電話を私の頭上でプラプラと揺らしている。


ヤバッ!!!


「あ…ありがとうございます」


私が引きつった笑顔で、先生の手から携帯を取ろうと思った瞬間、スルリと上に上げてしまう先生。


「新庄、これはなんだ?」


「携帯…みたいな…お…おもちゃ…です」


とっさに出てきた言葉に、自分でもビックリする。


「新庄、やっぱり変な奴だな」


「知ってます。それより、返してください」


私が膨れっ面で見上げていると、


「はい、没収。返して欲しかったら後で職員室に来い」


そう言って去っていった。