私達は図書室に着くと、1番目立たない位置に座った。

「どうしよう、柚子」

「西村麗香ってのが、かなりくせ者よね」

さすが下級生に友達の多い柚子は、かなりの情報通だわ。

「彼女はくせ者なの?!」

そう聞く私に、言葉を続けた。


「くせ者も何も、彼女の父親は教育委員会にコネが有るのよ。バレたら、ひとたまりもないわ」

柚子曰わく、西村家は典型的なお金持ちで、麗香はその一人娘。
昔から甘やかされて育てられたみたいで、同級生からは【麗香嬢】と呼ばれているらしい。

それを聞くだけでも、くせ者だって分かるわ。


柚子はグッと私に近づくと

「だから、なるべく2人っきりで会わない方が良いわね」

脅してるのか本気か分からないけど、そんなの無理だよぉ~~

「そんな~~~」

かなり泣きそうな私に

「バレたら、先生辞めさせられちゃうよ。嫌でしょ?」

「……イヤだ」

「とりあえず、何か作戦を考えよう」

そう言うと、柚子はうーんと考え始めた。