どれくらい抱き合って居たんだろう?

離れていた時間を取り戻すかの様に、俺は純那の温もりを感じていた。


かなり大人気なかったと思う……


情けない。
自分でも分かっている。

でも、純那と一生一緒に居れると思うと、素直に嬉しかったんだ。


さすがに、あまりにも長く抱き合っていると、警備員さんに怪しまれてしまう。

俺は渋々純那から離れると、純那の家へと車を走らせた。


もちろん、手は繋いだまま。


どこか純那に触れて居ないと、またどこかに行ってしまいそうで怖かったんだ。

純那が居ない生活なんて、もう2度としたくない。

たった数ヶ月なのに、ものすごく長くて暗かった日々。


毎日が地獄の様だった。


いっその事、会えなかったら諦められるのに……と、何度も思ったよ。

だから、教師を辞める事も考えてしまっていた。
純那に言ったら幻滅されるだろうな。

でも、それ位辛かったよ。
そして純那の大切さが、身に染みて感じた。


そんな事を思い出すと、つい手に力が入ってしまう。

ギュッと手を握りしめると、天使のような笑顔で純那が俺を見つめてきた。


愛おしい。


俺は信号で止まる度に、純那の額にキスをした。