「……」

受け取ろうとしない私に、その人は

「大丈夫よ。毒とか塗ってる訳じゃないから」

フフッと少し笑い、私の腕に押し込んできた。

花束には罪はない…
そう思い、花束を受け取った。

「一色先生、なんで…来たんですか?まだ、私に何か用が有るんですか?」

声を荒げそうになるのを抑えて、なるべく冷静に聞いた。

「あら、最後の挨拶位させて貰っても良いでしょ?今、少し良いかしら?」


最後の…?


私は一色先生に少し待っててもらい、花束を病室に置きに行った。

お母さんが心配すると困るから、

『少し出かけてくるね』

と、伝えて私は病室を出た。


私達は、1階にある喫茶店に移動した。

移動中、ほぼ無言の私達。
多分、変なオーラが漂っていたに違いない。

中に入ると、私達は向かい合わせに座り一色先生はコーヒーを私はオレンジジュースを頼んだ。