私は病室に戻ると、お母さんはもう上半身を起こしていた。
「もう、起きて大丈夫なの?!」
私は慌てて駆け寄ると
「やだ、人を年寄り扱いしないでよ」
なんて言うんだもん。
それだけ話せたら、もう元気よね。
私はさっきまで真咲先生が座っていた椅子に座り、お母さんに無理をしない様に言い聞かせていた。
「あんまり働き過ぎないでね」
私はお母さんに念を押した。
「はいはい」
って返事をするお母さん。
もう、人が本気で心配してるのに!!
私は残っていたお茶を、一気に飲み干して空のペットボトルをゴミ箱に捨てた。
「どれくらいで退院出来るの?」
「さあ?」
さあ?って……
お母さん、アバウトにも程が有るし。
そんなお母さんの血が、私にも流れているんだけどね。
はぁぁ~~~
とため息をつくと、私は外を見た。
真っ黒な雲は、激しい雨を降らしていた。

