――――バタン


虚しくもドアは締まり、私はその場に崩れ落ちた。

私はバスタオルを抱きしめ、声を上げて泣いていた。

バスタオルは先生の匂いがして、今までの色々な思い出が蘇ってくる。



これで良いんだ。



そう自分に言い聞かせながら、1つ1つの思い出に鍵をしていった。


もう終わった事を、今後思い出す事の無いように……


1つ1つ丁寧に
思い出しては鍵をかけていった。


人を愛する事を教えてくれた先生。


こんなに人を愛する事は、今後生きていく中で多分無いと思うよ。


ありがとう、真咲先生。


私は最後に、自分の心にも鍵を締めた。
これでもう、感情が溢れ出す事は無いね。


さようなら、真咲先生。