ちょうど、6時間目が終わったみたいで生徒がゾロゾロと出てきた。

私は逆走する形で、職員室に向かった。


―――トントン


ノックをして中にはいると、真咲先生が机で仕事をしているのが見えた。

私は先生の方に真っ直ぐ行き声をかけた。

「真咲先生」

振り向いた先生は、少し笑顔になり

「新庄か。進路相談だよな。じゃあ、行くか」

そう言って立ち上がった。


先生の笑顔を見納めるのかと思うと、涙が出そうになる。

私達は、先生ん家に入った。

鍵を閉めるや否や、先生は心配そうに私の顔を覗き込み

「最近どうしたんだ?」

って聞いてきた。


「……先生…」


思い詰めた様に話し始める私に、なんだかいつもと違う気配を感じたのか、私を引き寄せ抱きしめる先生。

こんな事されたら、決心が鈍っちゃうよ。

私は先生から離れ、先生に背を向けながら話し始めた。




「先生、別れよう」