修学旅行当日。


あまり気乗りのしない私に気づいたのか、同じクラスの柚子が心配してくれた。


ダメだね。


こんな調子じゃ、心配させてしまうね。

私は元気に装いながら、お昼のグループ行動をした。

だって、真咲先生と一色先生が話している所を見るだけでも、不安で胸が締め付けられそうになる。


弱いな。


夕方、宿に入ってからのグループでの自由行動も、私は『体調が悪い』と嘘をついて1人で宿に残る事にした。

皆がいなくなった部屋は、すごく静かで色々考えてしまう。



真咲先生の態度

一色先生の事

先生と生徒と言う関係


考えたくない事ばかりが、頭の中を支配していく。


『こんなに考えちゃうんなら、皆と一緒に行けばよかったかな?』


半分後悔していると、



――――コンコン


ドアをノックする音が聞こえてくる。


あれっ?

柚子かな??


「はい」


と、返事をしてドアを開けるとそこには真咲先生が立っていた。




!!!!!!!




何で居るのか理解できないまま、私は先生を見つめて固まってしまった。