「………」


唇を離すと、先生は目を見開いたまま固まっていたね。


「せんせ…?」


私は先生の目の前で首をかしげながら、少し笑って呼びかけた。

先生はやっと魂が戻って来たのか、頭を抱えながら深くため息をついていた。


あれっ?


やっぱり、大胆過ぎたかな?!


私は怒られるかと思い、首をすくめながら上目遣いで先生を見た。

やっと顔を上げた先生は


「お前、俺の我慢を返せ」


って言ったんだ。

何の事やらさっぱり分からない私は、キョトンとした顔で先生を見つめていた。


すると、先生は私を引き寄せて


そのまま、先生の腕の中で



キス



一瞬の事で、キスしたまま間近で先生を見つめちゃった。


唇が離れた瞬間


「可愛すぎだから、純那。
一生懸命ガマンしてたのに……

お前のせいだからな。
もう、どうなっても知らないぞ」


そう言う先生は、
『教師』ではなく『男』の顔をしていた。