先生は、前を向いたまま話始めた。


「純那の事が好きすぎて、キスしたら……俺、理性無くなりそうだから」


私とは目を合わさずに話す姿は、何だかいつもの大人な先生とは思えない位純粋で愛おしかった。


「って、俺ダサいな!!」

真っ赤になりながら、ハンドルに突っ伏してる先生。



―――ププッーー!!


後ろからけたたましいクラクションに急かされ、車を発進させた。

青信号のバカッ。

私は信号を睨みつけながら、さっきの先生の言葉を思い出していた。

嬉しくてニヤけてしまう。


「理性無くなっても良いよ!!」


そんな私の言葉に先生は慌てて


「おまっ、何言ってるか意味分かってんのか?!」


先生、焦り過ぎです。


「分かってるよ。先生だったら…良いよ」


分かってる。
自分がどれだけ恥ずかしい事を言ってるのか……

でも、勢いで言ってるんじゃないよ。

本当に、先生が初めての相手なら嬉しいって思っているから。


「先生が初めての相手になって欲しい」


気が付いたら、こんな恥ずかしい事を宣言していた。