すると、先生は私の手を握ったまま私を引き寄せた。
いまいち状況が飲み込めない。
すっぽりと先生の胸に包み込まれている私。
ギュッと強く抱きしめてくれている事が
すごく嬉しかった。
嫌われていないんだよね?
今日の先生はタバコの香りがしない。
あっ、今日はタバコを吸った姿を見ていなかったな…なんて思い出す。
先生の胸の中で、先生の声が響く。
『俺も…好き……』
そんな先生の言葉が信じられなくて、顔だけ先生を見上げた。
そこには、見た事が無い様な先生の照れた顔があった。
うそ……
思いがけない両思いに、ドッキリかと思っちゃうよ。
「ほんとう?!」
そう聞いた私に、
「本当。先に言われちゃった……」
って……
先生、信じて良いんだよね?

