「そうだね」
ずっと動いている時間の中で
この時・この場所に居たから
私達も出会えたんだ。
しかも出会った中で、私が先生の事を好きになる確率なんて、ものすごい確率なんだよね。
そう考えると、やっぱり『運命』って有るんだと思う。
だからこそ……
この出逢いを大切にしたい。
すると、先生は昔の恋愛話をし始めた。
そう、祐輔さんと祐輔さんの奥さんとの恋バナ。
何で先生がそんな話をし始めたのかは、良く分からなかった。
ただ、あまりにも真剣に話してくれるから、私も真剣に聞いていた。
途中、すごく苦しくなったし
耳を塞ぎたくなったし
だいぶ嫉妬しちゃうけど
私の知らない先生の一面が知れたのは、少し嬉しかった。
そして、そんなに先生から愛してもらえた祐輔さんの奥さんの事が
――死ぬほど羨ましかった。
そして先生も、
辛い恋愛をして来たんだ……
たかだか17年しか生きていない私が言うのもなんだけど
人生ってうまくいかないもんだね。
全て話してくれた先生は、最後に言葉を付け足した。

