「残念だったね」

そんな柚子に、なんて返して良いか分からなくて笑顔を作った。


私は、1組から順番に担任の欄を見て行った。



あれっ??



先生が居ないや。


最後の組の次のページに、その答えは有った。



【2年生 副担任 真咲 慎弥】



副担任……


先生のクラスじゃなくて、複雑だったけど全く会えなくなる訳でもない事が少し嬉しかった。


柚子は私の手を引っ張りながら、教室に向かった。


その途中


廊下の向こうから、先生が歩いてくるのが見えた。

柚子が走るペースを落としてくれた。

「先生、おはよう」

柚子がそう言ったのに、上を向けないで居る私。


もう、バレバレ……


先生は、何事も無かったかの様に柚子と話している。



―――ポン


「なっ、新庄」


日誌で私の頭を叩く先生に、目も合わせずに愛想笑しかできないで居た。


最悪に感じ悪い子だね。



だって、泣いてしまいそうなんだもん……



私は先生が去っていくのを、ただ黙って俯きながら待つ事しかできなかった。