自分がどうなっているのか分からなかった。

ただ頭に残る先生の温もりが、私をよりドキドキさせた。


「ただいま!!」


私は急いで居間を通り抜けて部屋に入っていく。

無造作に鞄を投げ捨て、お気に入りのクッションを抱きしめた。



落ち着いて。



先生だよ?!



有り得ないでしょ。



先生はお父さんの代わりみたいな存在だから、ただ落ち着くだけなんだ。

安心出来ただけなんだよ。



きっとそう。



私はムクッと顔を上げると、ご飯の香りがする居間に歩いて行った。