「可愛い生徒の事を、忘れる訳が無いだろ?」


先生の声が体中の響く。


生徒……


「永遠の別れじゃないんだから」


そう言った先生は、もう1度ギュッと抱きしめてくれた。


そんな事したら……


もう我慢できなくなるよ。



もう生徒じゃ嫌なんです。



我慢できないの。



悪い子でしょ。


「生徒は、もう嫌なの……
 私…せんせい…の事…」


すると先生は私から離れ、私の口の前に人差指を置いた。



「新庄、これ以上言うな……」



そう言った先生は、ものすごく切ない顔をしていた。


「これ以上言ったら…俺達は…」


言ったら?


どうなるの?


先生は言葉を続けなかった。

ただ、唇を噛みしめたまま切ない顔で私から顔を背けた。



後悔した。



言わなければ良かった。



私は

「ごめんなさい」

そう、ひと言だけ言って車から降りた。