「ウソ……」

目の前には一面宝石を散りばめた様な夜景。


そして



空からは、



白い花びらが舞い降りてきていた。



―――雪―――



神様からのプレゼント。



「ホント」



先生はそう言って私の顔を見ると、くるりと方向を変えて柵まで降りていった。



私も空を見上げながら、ゆっくり追いかける。



さっきまでのモヤモヤが、嘘みたいに消えていく。



白い花びらは手のひらに落ちると、一瞬で消えてしまった。


きっと、雪になるまでたくさんたくさん時間をかけたのに、美しい時は一瞬しかないんだね。



私と一緒。



楽しい時間は、すぐに去って行く。