私が居ない時で良かった。
何にもなくてもさすがにヤバいよね。
先生はリスクを負っても、ご褒美として私の願いを叶えてくれたんだね。
もう、満足したよ。
ありがとう、先生。
今にも溢れ出そうになる涙をこらえた。
だって、泣いたら止まらなくなるから…
苦しいよ。
10分位して、芽依先輩は友達に連れて行かれ名残惜しそうにその場を去って行った。
私にとっては何時間にも感じた。
手の中のお茶は、完全に冷めてしまってぬるくなっていた。
私は気合いを入れ直して先生の元に向かった。
「お待たせしました~~はいお茶」
少しおどけて渡した。
普通に顔が見れなかったから。
多分泣いちゃうから。
そんな重い子になりたくないから。
だから、明るい純那で居るんだ。
「ありがとう、遅かったな」
何事も無かったかの様に、そんな事を言う先生。
「遠かったから…自販機」
「そっか」
先生は缶を開けると、一気に飲み干した。
精一杯のウソ。
でもきっとバレてるよね……

