突然黙り込んだ私に、

《美咲、どうした? 私、言い過ぎた?》

涼子は要らぬ心配をしてしまったみたいだ。


「ううん、そうじゃないよ。寧ろその反対。
 ありがとうね、涼子。本当にありがとう」


《よかった……》


 どこまでも優しい涼子――…


「私、やらなくちゃいけない事があるみたい
 なの。だから今日はこれで切るね。
 付き合ってくれて、本当にありがとう。」


《え? 急にどうしたの? 大丈夫なの?》


「うん!本当にありがとう。
 明日は1限目からドイツ語だったわね?
 遅刻しちゃ大変、だからもう寝てね?」


《う、うん――じゃあ…ね?》


「今日はありがとう、本当にありがとう」





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