私はどうだろう? 浩二が見て欲しい“本当の浩二”の姿に、ちゃんと興味を示していたのだろうか? そして“美咲に愛されている”という実感を与えられていたのだろうか? 私はそれらを浩二に尋ねる事を、一度もしなかった。 毎晩電話で優しい言葉を掛けてくれる事が嬉しいとか、 浩二が連れて行ってくれるお店が素敵だとか、 浩二が他の男の子より少しカッコイイのが自慢だとか… 上辺ばかり―― 言葉ばかり――… 一年も傍にいたというのに……。 .