−…行きは間もなく…


広い空港内に実家に帰るためのアナウンスが流れた。


重たい腰を上げた。



「行くの…?」



忙しい中、尚輝はわざわざ見送りに来てくれた。


忙しいから、すぐに戻ってくるからと言ったのに…


尚輝は見送りに来た。



理由はわかってる。


普通に実家に帰るだけなら尚輝は見送りになんて来ない。


今回、実家に帰る理由が…



「本当に見合いするの…?」

「前にも言った通りするよ」



私がお見合いするから。


尚輝は私の気持ちを知ってる。


だから、すごく心配してくれてる。


だけど…


私の心配なんかより自分の心配をして欲しい。


前に少しだけ聞いた好きな人のことだけ考えて欲しい。


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