俺の体をいつも心配してくれた。


一人暮らしで、コンビニ弁当が主食だった俺に、差し入れだと言っておいしいお弁当をくれた。



お前に似て、わけのわからんおかずだったが、おいしかった。


栄養も愛情もたっぷりだった。





「お前が遅いから、俺もう限界」




信号で停まった時、俺は後ろの席の足元に手を伸ばし、なずなの頭に触れた。




まだ隠れたままのなずな。




「もう隠れなくていいよ」



頭を撫でる。


俺の手を握る。



ドキドキしながら手を伸ばしたのに、なずなは・・・・・・


ちっとも俺の気持ちをわかってねーんだから。




「うわぁ~、塩崎先生の手だぁ~。かっこいい」



「ドアホ!!もう隠れなくていいって」



「何だか楽しいんだもん。芸能人のデートみたいで」



「あっそ。好きにすれば」






バカだけど、俺はこんななずなにいやされている。



もうなずななしでは生きていけないんじゃないかと思っている。





俺もバカになれる。


なずなの前では。