「だからぁ…・・・さっきから何だよ。俺の顔に何かついてる?」



「あの・・・・・・もしかして気づいてないんですか?」  


「何がぁぁ??」




教習原簿に書き込んでいた手を止め、俺もその子を見る。




「あなたは自分のかっこよさに気付いていないんですか?」





コイツ、バカだ。


長年ここで働いているが、こんなことを真っ正面から言ってきたのはこの子が初めてだった。




「は?お前、頭大丈夫?」





それが、コイツとの出会い。


川島なずなとの出会いだった。