「キスしていい?」 なずなが返事をする前に。 なずなの唇を奪った。 びっくりして目をパチクリさせたなずな。 俺は右手でその目をそっと閉じさせる。 「好きだ」 仕事に追われていた俺の前に、突然現れた不思議少女。 まっすぐで、ばか正直で。 S字もクランクも、坂道発進も、一時停止さえもへたくそで。 隣に乗っていると、酔いそうになる運転だけど。 俺がいるから。 どんなへたくそでも、俺が見ててやる。