「大阪に行ってしまったら、
たぶん
もう会うことは無いだろう。」
叔母のところを
手伝うようになってからの
数年で、2回ほど担当がかわった。
全国に営業所がある大企業には
転勤は当たり前のことだ。
転勤をしていった、今までの
担当者の顔が浮かんでくる。
笑顔で挨拶をして
「また、近くに来た時には
顔を出します。」
そんな言葉を交わしたが
その後、もう二度と
言葉を交わすことはなかった。
でも、上野君は
私にとって特別な存在だった。
果てしなく平凡な日常から
光に溢れた刺激的な毎日へと
導いてくれた人。
もう一度
夢に向かうことの楽しさを
与えてくれた人。
シンデレラのストーリーであれば、
ドレスに変身させてくれて
かぼちゃの馬車を与えてくれた
魔法使いだよ。
シンデレラは魔法使いに
お礼を言わなかったけど、
私はこれでも古風な女?
