「パワーストーンって


たくさんの種類があるのね。


色もきれいなものばかり。


シオン君のお薦めはどれ?」


「とっておきのがあります。」





一度、店の奥に入ると


木のトレーに何かを乗せて


現れた。



クリスタルの中に


大きなクラックが入った石が


いくつか乗っていた。



「これ 奇跡の石って言うんです。


願い事を叶えるなんて


レベルじゃないですよ。ゼッタイに


ありえない奇跡的なことが


起こってしまう石なんです。


自分の願い事を奇跡の石に


お願いして


満月の夜に時々


月の明かりをあててあげるんです。


ごく たまにしか


手に入らないから


店頭には並べていないんですよ。


美姫さんのお友だちだから


よろしければ特別にお譲りします。」




「本当?ありがとう。」


奇跡という言葉にけっこう弱い。



「どれにします?


お好きな石を選んでください。」


「シオン君が選んでくれる?


私にぴったりの石」


「この少し緑がかったのが


いいですね。」



「どうして?」


「よくわからないけど・・・


そんな気がする。


これから必要になるはず・・・」



「じゃあ、これにするわ。」


「はい 今準備しますから


少しお待ちください。」