一部始終を見ていたが、誰も助けもしなかった。

 すぐに真っ赤な顔のチテイジンのロボット五体が、ケンカした二人の男を囲んだ。

「なっ、何をするんだよ!」

 ケンカに勝った男は興奮状態で、また暴れそうだ。

 しかし、男がロボットの目を見た瞬間、眠ったように静かになった。そして、二人の男を食堂から連れ出した。

 誰も追って確認しないので、どうなかったはわからない。

「もう、戻れないな」

 ロボットがいなくなって、語野字が大きな声で言ったので、誰もが納得するかのように首を縦に振っていた。