そうなると、体内からインプラントされた物を摘出しなければならない。

 歯無は服を脱ぎ、体に傷がないか確かめた。

 腕や足を注意して見たがそれらしき傷はない。胸や腹も見るが、何もない。

 傷は見つからなかった。

 薄暗さに鏡もなく、傷がすごく小さければ発見することは不可能だ。

 誰かに手伝ってもらわないと無理だろう。

「あっ!」

 歯無は急に戸度橋のことを思い出したのだ。だが、ここにはいない。逃げたのだろうか。

 どう考えても納得がいかない。チテイジンだか何だか知らないが、姿は現さないし、何をやりたいのかもはっきりしないし、未成年者とか、楽園とかさっぱりわからなくなっていた。