歯無はどんぶりを手に取り、一口入れると、どんぶりを交換した。

 次の料理を食べるのだ。

 その繰り返しだった。

 一通り料理を食べ終えると、後は残した。

 普段ならもったいなくて、絶対に出来ないが、ここならお金も取られないので出来るのだ。

 歯無はこんな無駄な贅沢が一度やってみたかったのだ。

 もちろん、横を通る人は眉間にシワを寄せ、口を開けたままなど色々な反応だ。

 訴えたいことはもったいないの一言だろう。

 誰も口にして言わないが、反応が物語っている。『レベル3』でやってはいけないことではないので、葉無は気にすることはなかった。