予想以上に空腹だった歯無は次々に料理を注文した。

 他のテーブルは四人掛けのところを二人以上で座っていて、テーブルの上が埋まっているが、歯無は一人である。

 底なしの胃袋なら理解は出来るが、歯無は大食いではない。

「どれから食おうか!」

 歯無は誰かに向かって言ったのではない。

 料理に向かって言ったのだ。

 テーブルの上にはさまざまな料理がある。マグロ丼、親子丼、牛丼、カレーライス、天丼、うな丼、しょうが焼き、ハンバーグ、グラタン、ドリア、スパゲッティ、しょうゆラーメン、テンプラうどんなどである。