「私は…まあシナリオなら。あるいは小説家希望ですから」

「2人ともしっかりしているから、俺は安心だよ」

そう言いつつ、私の頭をぐしゃぐしゃ撫でる。

「ところでさっきのつっかかってきた少年、どっかで見たことない?」

「う~ん…。オタク仲間では見かけないタイプですね。だってモデルみたいに、カッコよかったし」

黒のサングラスはかけていたけれど、あのスタイルといい、顔立ちといい、一般人とは思えない。

「それに声も良かった。発声が一般人離れしています。もしかしたら、インディーンズのバンドでもしているのかもしれませんね」

私の意見を聞いて、店長はぎょっとした。

「よくそこまで分析できるなぁ。…でも確かに声が特徴的だった」

店長がアゴに手を当て、考えこんでいると、先輩がレジに戻って来た。