「金なら払う!」

「いっいえ、そういう問題ではなく…」

「里桜クン、ちょっとゴメンね」

私の頭を軽く撫でて、桃枝先輩がレジから出て行った。

何事かと、他の客も集まりだしたからだ。

すると事務所から、店長が出てきた。

「ありゃま。また熱烈なお客様が来たもんだ」

40代の男性店長は、ゲームが好きというより、ゲームを売るのが好き。

ゲームを売る企画とか、フェアをするのが好きな人で、商才がある人だ。

私はレジからひょっこり顔を出して、店長に手を振って見せた。

「店長」

「おっ」