「…本当にバッサリ切り捨てるよね? そういうところが壁作ってるって言うの、分かってる?」

「ぐっ!」

…イタイところをグサグサついてくるなぁ。

「だからさっ、お試しでも良いから僕と付き合ってみようよ」

「…そういう恋愛の仕方はイヤ。半端は好みじゃないの」

「でも本気には今はなれない、そうだろう?」

「まあ、ね…」

「じゃあ擬似恋愛は? キミの得意分野だろう?」

「…桂木、ケンカを売っているなら、買うけど?」

私は拳を握り締め、顔まで上げた。

「違うって! 僕は別にキミの趣味のことを悪く言ってるワケじゃない。例えだよ、例え」

…にやけた顔で言う言葉じゃないよな?