恋愛小説家のススメ!

「それじゃあ早速何か貸してください」

「先輩、この間発売されたゲーム、もうクリアしたんですか?」

「3度ほどは。まあ全てをやりつくしたワケではありませんが、そろそろ息抜きをしたくなりまして…」

3回…やっぱり先輩は先輩だった。

私なんてようやく1回目をクリアしたばかりなのに。

「う~ん…。先輩はゲームが良いんですか?」

「そうですね。できれば軽いものを」

先輩の言う『軽いもの』という意味は、『攻略本無しで短時間でクリアできるもの』ということ。

「なら恋愛シュミレーションが良いですかね。PCとPS2、どちらが良いですか?」

「PCの方が良いですね。里桜クン、PCゲームは良いチョイスしますから」

「…微妙に誤解を招く言い方、やめてください」

確かに恋愛物は何だって好きだけど…。

クローゼットを開けて、ゲームを何本か取り出し、床に置いた。