歌は私の想像以上に、良い出来だった。

歌い終わった後、司会者達も呆然とするほどに。

そして蘭雅がマイクを自分の口元に運んだ。

「この歌詞を書いてくれた方に感謝しています」

と、熱っぽい視線と声で言ったものだから、思わず赤面してしまう。

「おやまあ…。確かに里桜クンが作っただけありますねぇ」

「まさか選ばれるなんて思っていませんでした。後でメールを見てみなきゃ」

「ふむ…」

ふと先輩は口元に手をやり、考え込んだ。

「どうしました? 先輩」

「…いえね。もしボクの勘が正しければ、里桜クンの周りがまた騒がしくなるんじゃないかと思いましてね」