そして彼らの歌を聞いて、私は全身が痺れた。

鳥肌が立った。

コレは…ヤバイ。

本物、だ。

久々に感じた。魂の震える歌を。

歌詞はどこかシナリオめいていて、蘭雅の妖艶な声がその物語を歌う。

曲のアレンジも良い。とても聞きやすく、重低音が響いている。

「…あれま」

歌を聴き終えた後、私は手元のCDを見た。

…またとんでもない人物と、出会ってしまったものだ。

店長が見覚えがあると言ったのも、頷ける。

これだけ良い曲を作り、あまつさえバンドメンバー全員の顔が良ければ、どこかで見かけていただろう。