「んなわけねぇだろー?妃那ちゃん、性格だって可愛いじゃん」

「今の“だぞぉ”とかマジやべー!!」

「一緒に飯食ってる和也や萩が言うんだから間違いないって」

「ついでに洋平先輩と瑞樹先輩のお墨付きー」

「っていうか、お前ホントに本気じゃねぇなら俺手出してもいいよな?」

「「「「「ダメですよ三上先輩!!!」」」」」



チームを支えるMF陣の連携プレー。(お願いだから試合の中でその連携を見せて欲しい)

通りすがりの三上先輩の言葉にまで声をそろえて反応する。(お願いだから・・・以下略)

三上先輩は「嘘に決まってんだろ」と肩を竦めてそのまま通り過ぎていった。

それを見送ったヤツらは一斉に応援席に顔を向けると



「「「「「ひーなちゃーん!!」」」」」



と声をそろえた。

だぁぁぁ、どっちが応援か分からねぇだろ、それじゃぁ!!

呼ばれた妃那はと言えば、わざとらしいくらいに手足をバタバタさせて夏乃の後ろに顔を隠した。

それに対してため息をつく素振りの夏乃。

叫んだやつらと言えば、「かぁーわぁーいぃーいぃー」と時代錯誤したギャルのような口調で身をよじった。



「はいはい。気持ち悪いよー、みんな」



それを笑顔でばっさり毒舌で断ち切るのは親友、海斗。

「まったく」と言いながら俺の隣に腰掛けた海斗は、シューズの紐を結びなおしながら



「俺の夏乃だって可愛いのにね?」



なんて言い放った。



「そこに俺のって付けるお前も気持ち悪ぃよ、海斗」

「いいの、俺は兄弟愛だから」

「あいつらは?」

「うーん・・・歪んだ愛情?」



・・・たぶん、今夏乃の後ろで大爆笑してるであろう妃那が一番歪んでるとは思うが、

海斗の言う“歪み”もあながち否定出来たもんじゃない。

まぁそれを言ったら海斗の愛情も歪んでると言えば歪んでると思う。