大学四年の夏、俺には彼女がいた。


美人で愛想良く、誰よりも好かれる人だった。


俺ももちろんその中の1人で、美人だからという理由で好きになっていたのだろう。



ねぇ、と声をかけると、はい、と育ちの良さそうな笑顔で返事をかえす。



思っていた以上に言葉が詰まり、スムーズに事が進まない。

「あのさ・・・」
と、緊張丸見えなガチガチな声を吐き出すと、「付き合ってほしいんだけど!」露わに言ってみた。