俺はいつかみたく手作りのカメラで彼女ごと海を捉える。 思い出! そう。かけがえのない思い出。 もしこの景色が俺のいう理想でなくとも、理想であろうとも。 もしかしたら俺の理想はもうそこにあったのかもしれない。 それを自分の枠の中に捉えることができないだけなのかもしれない。 とにかく今ある光景を精一杯楽しんでみよう。思い出にならなくてもいい。その方がいい。 そして俺は、震える手でシャッターを押した。 ありがとう。