夏が過ぎた。 ケータイが鳴らなくなって、数週間。 彼女が静かに俺の家を訪れた。 「・・・・・・・・・ちょっと」 彼女は玄関口で丁寧に靴を脱ぐと、悲しそうな表情を抱えて俺に歩み寄る。 寝そべっていたせいか、一瞬だれだかわからなかった。 勢いよく反転すると、今にも泣きそうな彼女の姿がはっきりと見えた。 「この前、海で撮った写真・・・・・・どういうこと?」 「・・・・・・・・・何が?」