大地が揺れる。
風が泣くように唸る。
空は光を隠し、曇天の日が続く。
毎日、響く地響きは龍と龍の悲しい闘いの跡。
龍とともに、自然は、世界は泣いていた。
それが、『黒白龍の乱』
白龍と黒龍が、自らの存在を人に問うた闘い。
幼きリュウは隠れ森の里で見ていた。
自分の憧れる龍使いが
龍をつぶし合う様を。
人の想いに操られ、仲間とつぶし合わなければならない龍の叫びを。
「………俺は、恐かったんだろうな。お前を失うのも、お前に、この荒れた世界を見せるのも。
自信がなかったんだ。
そして、
お前を守り抜く自信がなかった。」
リュウは噛み締めるように抱えた卵に呟き、顔を上げた。
「今は……
今の俺は…………」
風が泣くように唸る。
空は光を隠し、曇天の日が続く。
毎日、響く地響きは龍と龍の悲しい闘いの跡。
龍とともに、自然は、世界は泣いていた。
それが、『黒白龍の乱』
白龍と黒龍が、自らの存在を人に問うた闘い。
幼きリュウは隠れ森の里で見ていた。
自分の憧れる龍使いが
龍をつぶし合う様を。
人の想いに操られ、仲間とつぶし合わなければならない龍の叫びを。
「………俺は、恐かったんだろうな。お前を失うのも、お前に、この荒れた世界を見せるのも。
自信がなかったんだ。
そして、
お前を守り抜く自信がなかった。」
リュウは噛み締めるように抱えた卵に呟き、顔を上げた。
「今は……
今の俺は…………」