……………………………
『なぁに?この卵。』
そこには幼いリュウの姿があった。
まだ10にも満たない年の頃だろう。
今現在の冷静な静けさを持ったリュウとは似ても似つかない姿だった。
いかにもやんちゃなその小さなリュウの手には、その小さな手に乗り切らない大きさの卵が置かれていた。
目の前には、大きな人の影。
小さなリュウは憧れと、親しみを込めた目でその者を見上げている。
影はリュウに優しく語りかける。
『今はまだ、小さな卵でしかない。
しかし、おまえが、孵るまで守り育てるのだ。
おまえが、この卵の主だからな。』
『え?……でも、これは父さんの大事な物でしょ?』
『私はまだ行かねばならぬところが…』
『帰ってきたばかりなのに!?』
遮るように放つリュウの言葉に影は一瞬表情を変える。
『また…行くの?ぼく、見せたいことがたくさんあるのに!
ぼく、なったんだよ!?龍使いに!
見て!
ほら!証もらったんだ!
まだ子どもなのに、スゴいって長も………』
『リュウ……』
胸に光る、真新しいクロスを見せながら立て続けにしゃべるリュウ。
しゃべっていなければ、その小さな体に宿る感情をすべて突きつけてしまいそうだった。
『……私は、知りたいのだ…。お前たちを…私たちをこの運命に巻き込んだ宝珠というものを…』
影は、リュウに薄く笑いかけると、手を挙げた。
『!!!』
『なぁに?この卵。』
そこには幼いリュウの姿があった。
まだ10にも満たない年の頃だろう。
今現在の冷静な静けさを持ったリュウとは似ても似つかない姿だった。
いかにもやんちゃなその小さなリュウの手には、その小さな手に乗り切らない大きさの卵が置かれていた。
目の前には、大きな人の影。
小さなリュウは憧れと、親しみを込めた目でその者を見上げている。
影はリュウに優しく語りかける。
『今はまだ、小さな卵でしかない。
しかし、おまえが、孵るまで守り育てるのだ。
おまえが、この卵の主だからな。』
『え?……でも、これは父さんの大事な物でしょ?』
『私はまだ行かねばならぬところが…』
『帰ってきたばかりなのに!?』
遮るように放つリュウの言葉に影は一瞬表情を変える。
『また…行くの?ぼく、見せたいことがたくさんあるのに!
ぼく、なったんだよ!?龍使いに!
見て!
ほら!証もらったんだ!
まだ子どもなのに、スゴいって長も………』
『リュウ……』
胸に光る、真新しいクロスを見せながら立て続けにしゃべるリュウ。
しゃべっていなければ、その小さな体に宿る感情をすべて突きつけてしまいそうだった。
『……私は、知りたいのだ…。お前たちを…私たちをこの運命に巻き込んだ宝珠というものを…』
影は、リュウに薄く笑いかけると、手を挙げた。
『!!!』