寝心地が悪い。


遠くでたくさんの声がする。


淡いピンク色のカーテンに囲まれた真っ白な天井を見上げると、ものすごい倦怠感に襲われた。


意識がはっきりしてきて、ようやく自分が今どういう状態なのか思い出す。


死を予感しておきながら、なぜこんな結果なんだろう。


なんてザマ。


拍子抜けもいいところだ。


あんなに痛かったのに病気じゃないなんて納得できない。


結局こうして薬で簡単に治まる程度のことだったのが許せない。


格好悪すぎる。




頭を左に倒してみた。


そこは一面ピンク、カーテンしかない世界。


ひだの陰影を寄せては返す波に見立て、視線を行ったり来たりさせると脳が揺らぎだす。


海にいる感覚になれそうだったが、「海は青色」という固定概念がピンクという色を許せなかった。……