困窮の原因は分かっている。




生理のせいだ。




そもそも父は週に五千円しかくれない。


ただのおこずかいなら充分な金額かもしれないが、これには毎日の二人分の夕食代も含まれているのだ。


今まではそれでなんとかやりくりしていた。


しかし、生理のなんと金のかかることか。


漏らさないための専用ショーツや、トイレに置く三角コーナー、そろえなければならないものが多い。


さらには、薬局で痛み止めを手にしたとき、その金額に思わず値札を二度見した。


それでも必要なものだから、買わなければならない。


問題集が必要だと嘘をつき臨時収入を得て、そのときはなんとかなったけれど。


生理は毎月来るのだ。


このままじゃ絶対に立ち行かない。


教材を理由にお金をせがむことは、そう何度もできないだろう。


本当は、理由をきちんと伝えておこずかいを増やしてもらえばいいのだ。


でも、言いたくない。


あの父に、面と向かって、生理になった、と言うのか。


言えるわけがない。


いやだ、気持ち悪い、気持ち悪い!


絶対に言えない。


じゃあ、これからどうしよう……何も思い浮かばない。


八方ふさがりで、ここ数日はお金のことを考えるだけで胃がキリキリ悲鳴をあげるのだ。